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高校英語教師の授業日記

思ったことなどを時々書いてます
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爆笑の瞬間
2005年 06月 10日 |
今日の3年生の授業。3年生はせっかく教科書を買った(買わされた)ということもあり、まあしばらくはこれをつかってリスニングをやろうと思ってやっているのだが、これがなかなか難しい。選定のときになるべく簡単なもの、でもカタカナとか日本語訳が本文にふっていないもの(そういうのもたくさんあるんですよ!子どもは英語を見る前にカタカナと日本語を見るに決まっています)という視点で選んだのだが、まあ中学生レベルの彼らにとってはやはり難しい。

今日の課題の中に、会話を聞いて英問英答に答えるという問題があった。何度か聞かせたのだけどラチがあかないので、じゃあまずこの問題と選択肢を訳してみよう、ということで当てながら訳した。

その中に
What will Kenta do this coming Sunday?
という問題があった。

Kくんに「どう、訳せる?」と聞いてみると、最近めっきり明るくなったKくんは、一生懸命考えて「えーっと、えーっと、『日曜日はなぜ毎週来るの?』?」とのたまった!!

教室中、大爆笑。私ももちろん大爆笑。周りの子たちは「土曜で終わりかよー」とか「なんで日曜日はあるの?」とか様々なことを言い合ってしばらく笑っていた。

このKくんは、去年の1学期、私と全く口をきいてくれなかった。教室の中でも友達と笑い合っている姿など見ることもなく、いつもぶすっとして音楽ばかり聞いていた。でもアンケートを書いてもらったら「英語の音楽がやりたい」と書いてきたので、「どんな音楽がいいの?」と話しかけたら「いろいろあるよ」と言ったので「じゃあ今度持ってきてよ。教材になるかどうか検討するから」といったら「わかった」と言ってくれたのだけど全然持ってきてくれなくて、というか彼は当時はそれどころじゃないっていうか、その他のことでいっぱいいっぱいという感じだったので仕方なかったのだが、結局は彼を満足させるような音楽の授業をやることはできなかった。

でも、何があったのか知らないけど2学期頃からだんだん明るくなり、3学期には英語の成績もとてもよくなってきたので「すごいじゃん」と褒めたりする瞬間もあった。そのころから少しずつ私にも照れたような笑顔を向けてくれるようになったのだが、その変化は今年になってからまた一段と進み、最近では廊下で会うと「おう!先生!おはよう!!」などといって片手を上げて笑顔で挨拶してくれるようになったのである。

そういう変化があった子なので、その子がみんなの前でそんなふうに発言してみんなで大笑いできる、というのが何か本当に嬉しかった。

英語の授業で引きつけたい、と思っているけど、友達の力というのは本当に大きいなあ。そして人間というのは変わることもできるんだ。そんなことも感じながら笑っていたことを彼らはきっと気付いていないだろうな。。

今日、山口県で恐ろしい事件があったけれど、うちの学校も他人事じゃない。うちは進学校なんかでは全然ないけど、「言葉でコミュニケーションできない」という意味ではとても危機的な状況だと思う。同じようなことがいつ起こってもおかしくないと思ってゾッとした。

このKくんのようにみんなが明るい笑顔で過ごせるような学校になるといいと、改めて思った。

Kくんについて書いた過去の記事は、コチラ↓
「2学期は」
by blogbebe | 2005-06-10 23:16 |
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