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高校英語教師の授業日記

思ったことなどを時々書いてます
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町田高校生の事件で考えるべきこと
2005年 11月 13日 |
yokoitiさんの記事に触発されて。まだまとまらないけれどもいくつかあげておきたい。

以下に書くことは自戒の念も十分込めて書くつもりだ。前にも書いたけど、この事件は本当に私にとっては他人事ではない。決して起こってはならないけど、「やっぱりこんな事件が起こってしまったか」という印象があったことは事実だから。

・工業高校生たちに必要な学習とは何か。

・現実問題として、工業をやりたくてきている子は半分にも満たない。半分以上は「ここしか来る所がなくて」「でも定時制はイヤで」「せめて全日制に行ってくれと親が言うから」来ている。だから学校に対する誇りも、自分に対する誇りもない。

・小中でそこまで落ちこぼれてしまったのには、勉強どころではなかったという環境もある。それは高校生になった今でもある。親がいない。ご飯がまともに食べられない。お風呂に入っていない。夜更かし。そしてそれをサポートする体勢が整っていない。親がいなくてもその代わりに面倒を見てくれる人がいればいいが、それがいない。

・また本人自身の問題もある。持続力がない。小中の勉強なんて持続力と忍耐力がある程度あれば、そんなに大変なことじゃない。しかし高校生になった彼らに接していると、この子等は何かを我慢して覚えたり、じっと人の話をきいてその内容に自分自身をシフトしていくということができないなあと思う。他を受け入れるためには自分自身がまず肉体的精神的に安定していないといけないからそういう意味では家庭環境もあるけど。

・世の中が忙しすぎる。情報がありすぎる。なぜそんなに忙しいか。みんな贅沢になりすぎている。物を粗末にしすぎる。汚くなったらすぐ捨てる。すぐ新しいものを欲しがる。そうするとお金が必要。だから働く。高校生なのにバイトする。バイトする事自体は悪いこととじゃないと思うけど、携帯代を稼ぐだけになっている子もたくさんいる。携帯代くらい出してあげるから、高校生の間は勉強しなさい、という親もいない。親は無駄なお金は自分で稼がせることが教育だと思っているのかもしれないけど、必ずしもそうではないと思う。そこに何か深いものを感じない。高校生になるまでにどういう教育方針で育ててきたのか、勉強が大切だと子どもが本当に感じていないのにそういうことをさせたら、子どもは勉強しないでバイトに走るだけである。そして小金を稼いで「なんだ、勉強なんかしなくてもお金稼げるじゃん」と単純に思う。働くことの意味も考えずに。

・そんな現状に対し、学校でできることは何なのか。悪者探しも分析のためには必要だけど、現実的にできることも考えないと。

・やはり勉強が一番最初に考えられる「できること」である。勉強とは自分一人で持っていた世界を広げる経験である。一人でいたらグルグル回ってしまう自分自身と、思い通りにならない自分の回りの環境に風穴をあける手段である。英語の単語を覚えることが直接そうはならないかもしれないけど、そういう積み重ね、そして英語だったら、言語体系の違いを学ぶことから発想の転換が図れたり、もっと下世話な話では英語が使えるようになることで文字通り世界が広がったりする。他の教科も決して学んでムダなことはない。

・しかし、勉強の地位が年々下がってきている。それは絶対的に大人が悪い。大人が勉強の大切さを知らないし、自分が勉強して成長してきたことをすっかり忘れ、ただ暗記させられたこととかを勝手にトラウマに仕立て上げ、「子どもにはそんな思いをさせたくない」という、自分の誤った「親心」に酔いしれる。それは教師も同じ。「良い先生」と言われることに酔いしれる。

眠くなってきたので今日はこの辺で。また何か思いついたら付け足します。
by blogbebe | 2005-11-13 23:34 |
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