「目的語」も加わりました
2004年 06月 17日
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さて。
今日は3つのクラスで主語と述語の復習をしたあと、目的語が入った文にうつりました。(しかし主語述語の復習に授業の半分くらい取られました・・^^;ほぼ一週間前の授業なんて覚えてませんよね。週に2コマだとそういうことになります。復習なんてするわけないんですからね。)
目的語、という呼び方はちょっと日本語の「目的」とは違うので(日本語で「目的」といったら、「目的のない旅」と言うときの「目的」という意味が普通の意味なのに、「目的語」は、動作を受ける対象という意味だから少しずれるのですよね)、少し変えた方がいいようには思いますが、それでもこの呼び名が定着しているので使いました。
動詞の直後に名詞があったら、それはその動作を受ける「受け手」になります。その、動作をする側が主語でされる側が目的語になる、ということを押さえさせた上で、日本語ではそれは「〜を」を付けて表すことが多いけれども、I like you.や、He fears snakes.のように「〜が」をつけることもあるということでまとめをしました。
その後、いくつか単語を与えて並べ替えの練習問題をやったあと、少し応用として、英語はこの構文を利用して、普通は自動詞としてしか使わない動詞がこの構文に入れば他動詞として働くこともあり得る、ということをやりました。あまり好ましくない文だと件の外国人講師の先生には言われたのですが、とある論文で取り上げられているような次の文です。
The trainer jumped the lion through the hoop.
これはサーカスのような場面ですね。trainer, through the hoopなどの語句の意味を与え、「どういう意味になると思う?日本語にしてみて?」といったら、なかなかみんな苦戦していましたが、「ジャンプするのはライオンで、それは調教師の指示によるものだ」という構造はすぐ分かったようでした。「ジャンプするのは誰?」と聞いたら「ライオン!」と何人もの子が答えましたから・・
でも、もしかしたら、日本語は語と語の意味関係をその意味内容で考える傾向のある言語である、という研究があるのですが、そのことがこの文の解釈に影響を与えたかもしれないという恐れもあります。
その研究によれば、英語のように語順で意味関係を取る言語の話し手の子供は、初めての文を聞いたときにその意味を語順でとらえようとするのに対し、日本語のように助詞などを使って語と語の関係を理解する言語の話し手の子供はその文の意味を語の意味で考えようとする、という結果の出た実験です。(実際は日本語ではなくどこか他の言語の実験でしたが。でも日本語と同じように語順では意味が決まらない言語で、そのような結果でした。)
調教師、ライオン、飛ぶ、と来たら、語順がどうあれ、調教師がライオンを飛ばせたと考えるのかもしれません。それを修正するにはもう少し例文が必要だったのかもしれません。でも、次の時間には二重目的語構文に入りたいし、その次には「場所」「時」を表す句に入りたかったのでまた少し焦ったかも。
でも、I melted the ice.は「私は氷を溶かした」だけど、The ice melted.は「氷を溶かした」という訳じゃなくて「氷が溶けた」になるんだ、ということは少し分かったと思います。単語の意味はただ一つに決まっているのではなく、周りの環境によって様々に変化しうるのだということが少しずつでも分かってくれるといいなと思っています。
・・・でも、今日は6時間目の授業は苦戦しました〜。やっぱり6時間目はきついです。集中している子が少なくてだいぶへこみました。うまく授業に入って来れるような面白い話とか、つかみの話題とかができるといいのかもしれないですが・・・中味が薄っぺらいのはいやですが、それなりのカリスマ性というのは欲しいものです。
by blogbebe
| 2004-06-17 22:04
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