高校英語教師の授業日記

思ったことなどを時々書いてます
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「この部屋はボブが掃除した」考・その1
2004年 07月 13日 |
a0027280_214526.jpgいやー、今日は本当に暑かったですね!学校は今工事中のため授業がなく、幸いなことにずっと職員室にいたのですが、お昼を買いに外に出たとき「ウソでしょ?」ってほど暑かったので驚きました。この暑さの中、冷房もないのに、工事のない都立高校はみんな授業をしているかと思うと・・・来年が怖いです。ありえない。

さて、授業はないので授業日記にはならないんですが、先日、ここで「この部屋はボブが掃除した」という文を英語にするのは難しい、ということをご指摘いただき、それからずっと気になっていたのですが、私なりに少し分かったことがあったので記しておきたいと思います。

今日、池上先生の講義がありました。そこで、20世紀初頭のプラーグ学派のマテジウスという人の「機能言語学」という本の一部を紹介していただきました。そこでは、文を統語論的な機能から主語や述語に分ける分け方と、語用論的(という使い方はいいのかなあ?)な機能から「基礎」と「核」に分ける分け方(実質的にはテーマ・レーマと同じことです)があるということがまず述べられています。そしてそれらはそれぞれ一致することはあるが、完全には一致しないということを言っています。

つまり、統語論的な主語がいつでもテーマになる訳ではなく、述語がいつでもレーマになる訳ではないということですね。

そしてそれを解決するために、チェコ語では(日本語でも)「語順」という機能を使って解決するらしいのです。日本語でも同じなので日本語で書くと(チェコ語は分かんないし^^;)、「先生はそのあとに到着した」という文を、「そのあとに到着したのは先生だった」という風に語順を替えると意味が変わる、つまり、前者は先生が来るのを待っていて、実際に来たことを述べているのに対し、後者は次々に客が到着する様子が話され、ある瞬間に、お客の一人として先生が到着したことを述べている、というのです。

「は」という助詞がついている文の冒頭部分は、すでに話題として既出である、つまりテーマであるということが理想的なのですが、これらの文はそれを満たしているということだと思います。

しかし、英語の場合はチェコ語に比べて遥かに語順が固定されているため、強調構文や受動態(この場合は無理ですが)などの表現を用いないと、同じような意味は表せないということが書いてありました。例えば、「パパはこの手紙を書いた」という場合はPa wrote this letter.でよいが、「この手紙を書いたのはパパである」としたいときには、This letter was written by Pa.とするか、It was Pa who wrote this letter.にしなければならない、ということでした。

そうするとやっぱり「この部屋はボブが掃除した」を、普通の能動態で書かせるのはちょっとダメですね。Bob cleaned this room.だと、Bobを強く読むなどすればよい(主語がテーマとは限らない、という議論もありましたので)かも知れませんが、やはりなるべく忠実にしようとすれば受動態か強調構文が妥当なんでしょうね。

「は」と「が」についても、今、手元にある本でいくつか読んでいて、結構面白いですね。

大学院で知り合った人が、修論で「『は』と『が』についてやる」と言ったら、ある教官が「先行研究がありすぎるからいい論文を書くのは難しいだろう」とおっしゃったらしいのですが、確かにそうかもしれませんが、やっぱり魅力的なテーマですよね。でも、いい論文というのはやっぱり先行研究をふまえて、オリジナルな視点を出さなくてはならないので、それは難しいのでしょうね〜。私には無理だ〜。「オリジナルな視点を出したい」という欲求がほとんど皆無なので・・・^^;;

しかし、池上先生は本当にすごいです。毎年毎年、新しいテーマで、ハンドアウトをいろいろ用意してくださって、いろいろな話を聞かせてくださいます。あんな話が聞けて、1年間4万5千円なんて、なんと安いんでしょうか。お話もいつも面白いし、お人柄もすばらしいし、もう本当に大尊敬です。
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by blogbebe | 2004-07-13 21:41 |
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