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高校英語教師の授業日記

思ったことなどを時々書いてます
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やっぱり時間が足りない・・
2004年 06月 15日 |
今日は本当に東京は暑い1日でした。でもまあカラッとしていたからそんなにひどくはなかったけれど、風通しの悪い教室は入った瞬間に「ムン」として、ちょっとかわいそうでしたね。東京都はどうしてこんな悪い環境で勉強させるんだろうか。予算がないせいもあるのでしょうが、きっと「子供は我慢を覚えるべき」とか思ってるんでしょうね。お役人の方々が子供の頃よりずうっと温暖化が進んでいるのに。

さて、授業の話。

今日、あるクラスで問題を解かしていたら、hungryという単語を文の述語で使うときにhungryedとしている子がいました。「お腹がすいた」だから過去形でしょ?と言われ、「日本語では『お腹がすく』は動詞だけど、英語のhungryはお腹がすいた状態だから形容詞なんだよ」と言ったのですが、なんだか分かったような分からないような顔をして、もう少しゆっくり説明しようと思ったのですが、そのときは公文式でドンドン練習問題を解かせて、できた順に持ってきて丸をつけてもらう、という形式だったのでそのままにしてしまいました。。

何時間か前に品詞をやったとき、angryという単語を出したのでそのときには説明したのですが、同じような語をいくつか取り上げるべきだったな、という反省が一つ。thirstyなんかもそうですよね。日本語では「のどが乾く」と動詞で表現するけど、英語のこの単語はのどが乾いた状態を表す単語です。

この世の中で起こる、様々な現象を言語化するときに、日本語と英語ではその言語化の仕方の違うものがあるのだ、ということを伝える、格好の材料ですよね。ここからアスペクトの授業や時制の授業などにもつなげることができます。

しかし、品詞に関しては、例えば名詞だけでも、英語には単複の区別があるということだけでもかなり時間を割いてゆっくりやることができます。単複同形の単語、と言われている語でも、状況によっては複数形を取るものもあるし、客観的に見たらたいして変わらないようなものでも、集合名詞として使われるものとそうでないものをよく見て行くと、そこに人間がそのものにどう関わっているかということが見えてきてかなり面白いです。

または同じ単語でも、そこからイメージするものの文化的な差。これも私が認知言語学を始めたばかりの頃、かなり感動したネタでした。例えばvegetableといえば日本語では「野菜」。そうするとイメージするものは「ほうれん草」とか「キャベツ」とか、わりと葉っぱ系のものが多いのに対し、英語では実験によればcarrotが一位であるとか。carrotなんて、まあ確かに野菜は野菜だけど、なんかちょっと「緑黄色野菜」とか「根菜」とか、さらに下位のカテゴリーに分類したくなります。

で、そういうことがやっぱりとても面白いので、授業で取り上げたいな〜と思うんですが、どうしてもそこまで腹をくくることができません・・。だって、期末テストは「名詞について」なんて、他の先生が見たらどう思うかなあとか考えてしまって・・。でも考えようによっては、特に受験に必要な子が来ている訳ではないのだから、やってしまえばいいのかもしれないですよね。

先ほどのhungryの話でも、日本語では「お腹がすく」「喉が渇く」と両方言えるのに、それを形容詞っぽくして「お腹をすかせた犬が」とは言えるけど「喉を渇かした犬が」というのはすごく変で、これはどうしてなんだろうか・・とか。そこから何か日本語の特徴が見えて、それが英語との違いを浮き彫りにするのに役立つかもしれないなあと思ったり・・。

生徒は毎日すごくすごく元気で、授業をやるのは本当に疲れますが、やっぱり授業があるといろいろ素朴な質問が出てきて面白いです。「分からない」と言われるのも、なんで分からないんだろうと思うとそこから見えてくるものも多いです。

授業だけなら週に何時間やってもいいから、会議とか、変な書類を作ったりするのとか、指導要録の点検とか、免除してくれないかなー
by blogbebe | 2004-06-15 21:36 |
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